'05年購入。
いわく付きの一本。
'05年夏『東京ジャズ』で来日していたマーカス・ミラーが帰りがけに成田空港で、いつもライヴやレコーディングで使っていたFodera Emperor 5st. FL Eliteを紛失。
「盗まれた!!」と大騒ぎになった。
二週間後のツアーに新しいベースを間に合わす様にヴィニー・フォデラに発注。
しかし、二週間では作れない。
何とかして三週間後に出来上がったので、マーカスに知らせたところ、
「紛失したベースは発見されたので、新しい物はいらない。」
と、断られた。
憤慨していたヴィニー・フォデラから、Fodera日本総合代理店のVEN Corporationの細
川社長が買い取り、それを私が買った。
基本はFodera Emperor 5弦のボルト・オン・ネックのフレットレス・バージョン。
マーカスが使っているスルーネックのバージョンはセミフォローボディー(以前私も持っていた)だが、これはソリッドボディーである。
トップ材のバール・ウォルナットはかなり渋く、高級家具調の色合いで、地味だが非常に美しい。
ネックは通常のモデルよりかなり薄く、手に馴染み易く非常に弾きやすい。
マーカスの手はあまり大きくないらしい。
私にもピッタリだ♪
以前に私が所持していたFender Jazz Bass MM Limited(マーカス本人のベースを正確に採寸してコピーしたモデル)も、ネックがかなり細身に削られていた。
さてその出音はもう、ジャコそのものの様な、あのリア・ピックアップの音♪
立ち上がりもオフも歯切れ良く素晴らしいレスポンス。
唸るような音の伸びも、まさにあのジャコの音を彷彿とさせる。
職人ヴィニー・フォデラの気合いが感じられる。
こんな素晴らしいベースを、見もせず触りもせずに断ったマーカスは、実にもったいな
い事をしたと思う。
お蔭で私は幸せな思いをしているが (^_^)ゞ
このベースは入手した途端に、まず2005年12月の【中村梅雀Birthday Live】で使った
。
そして2006年は、田中健さん/羽仁知治さんとのユニットで『Beautiful Gift Vol.1(
白血病研究基金チャリティCD)』の“Wonderful Life”“Colors Of Siesta”の二曲を
録音。
同じメンバーで【白血病研究基金チャリティCD発売記念ライヴ】(六本木アルフィー)で
も全曲で弾いた。
まるでジャコになったかの様に自由な発想を導き出してくれる。
自分がかなり上手くなった様に思える。
このベースを手に入れたのは大ラッキーであった。
マーカスに感謝である
もちろんこれからずっとこのベースは、私にとって大切な一本である。
どんどん使っていきたい。
(※写真1、2 撮影:佐藤勝也)
(※写真3~6 撮影:光齋昇馬)
(※写真7 撮影:光齋 恵)
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