'04年購入。
Victor Wooten シグネーチャー・モデル、Yin-Yangの5弦バージョン。
ボディーの白黒の陰陽模様は塗装ではなく、柊と黒檀を貼り合わせたもの。
黒檀の模様はネックにまで繋がっていて、複雑で美しい。
ヴィニー・フォデラの高度な職人技が発揮されている。
Victorご本人のはイエローウッド/パープルハートの組み合わせ。
この一本は柊/黒檀で作った変わり種。
指板のポジション・マークも無い。
Yin-Yangの5弦としては珍しいバージョンである。
VictorのHi-C仕様(E,A,D,G,C)とは違い、これはLow-B仕様(B,E,A,D,G)の5弦である。
基本的にYin-Yangらしい強力なレスポンス。
クッキリした輪郭の音である。
弾き手の技術レベルや粗が、丸裸になる。
その分,高度な奏法にもしっかりと応えてくれる。
ボディーバックはアルダーのワンピース。
そのためか鳴りが凄い。
ミュートをしっかりしないと、勝手に他の弦が鳴り出す。
ピックアップは元々EMGのソープバー・タイプのPPの取り合わせだったが、私が自分でPJに変更した。 リアでJazz Bass の音を出したいからだ。 ピックアップ・バランサーがセンターポジションの時の1~2弦の音は、PJにしてはJazz Bass に近いJJ的な音。
3~5弦は深く落ち着いた音で、特に5弦の低域は30Hz辺りがズンズン出る。 或る意味ミキサー泣かせではある。
内蔵プリアンプは元々トレブル/ベースの2バンドだったが、マイク・ポープがデザ
インした'04年当時のニュータイプのトレブル/ミドル/ベースの3バンドタイプに変更した。
素直だが強力な効きで、原音の感触を損なわずに大きく変化させることが出来る。
4弦タイプより更に守備範囲は広く、2フィンガー、スラップ、タッピング、ピック弾き、リアピックアップでのフレットレス的なプレイ等々、どれも音楽的に素晴らしい出音で、これ一本でどんな曲にも対応出来る。
'05年から'09年まで、ライヴでもレコーディングでもメインベースだった。
レコーディングでは先ず、田中健さん/羽仁知治さんとのユニットで使用。
そして、遂に念願叶って実現した、
記念すべき私の初ソロCD 「Bright Fortune」 ('08年10月22日発売)でもメインベースとして活躍した。
初めての自分のソロアルバムという事でプレッシャーはあったのだが、
このベースがちゃんと私のいう事を聞いてくれたお蔭で、安心して音楽に集中することが出来た。
実に良い音を出してくれた。
【レコーディング中】
Yin-Yangの模様を見ていると、元気が出て来る様な気がする。
弾いていても、自分らしい音が出て行く安心感がある。
このベースに巡り会えて良かったと思う。
私の強力な武器である。
(写真撮影:光齋昇馬)
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