'98年購入。
私はAlembicのベースの音が大好きだ。
スタンリー・クラークの音にノックアウトされてから、Alembic中毒になったのだった。
そのAlembicのギターの音は、'80年の渡辺香津美さんの使用で初めて知った。
香津美さんもスタンリー・クラークのベースに注目し
「ギターでもあんな音を出してみたい」
という思いから使い始めたそうだ。
ベースと同じく、クリアでクリスピーで伸びのある心地良い音。
香津美さんの'80年の名アルバム『TO CHI KA』で聴くことが出来る。
見た目のインパクトもなかなか♪
いつか良い中古に巡り会えたら買おうと思っていた。
吉祥寺に新星堂ロックインがオープンした時、このAlembic MSG Series Ⅰ が飾ってあった。
ワンオーナー物で、ほとんど使用感無しの極上品だった。
Alembicのギターの中古はなかなか市場に出回らない。
渡辺香津美さんの物に比べれば木目こそ地味だが、こんなに状態の良いSeries Ⅰ にはそうはお目にかかれない。
迷わずに買った。
ベースと同じくかなり重い。(Les Paul 程ではないが)
しかしストラップで肩にかけた時のバランスは、ベースと違ってとても良い。
ストレートな幅の指板と、スムーズなネックは、24フレットまで全くストレス無く弾ける。
とにかく弾き易い。
音は渡辺香津美さんと同じ音である。
フィルターを巧く調節すれば、かなり様々な音が出せる。
しかし何と言ってもあの【クリアにクリスピーによく伸びる音】が魅力である。
カッティングもストラトとはまた違った、イカシタ音で決められる。
しかしあまりにクリアな出音故に、Alembicベースと同じく、しっかりと正確に弾かないとボロが出る。
長い5ピン・キャノン・ケーブルをパワーサプライに繋いだり、弾くまでの準備がいるので、ついつい弾くのが億劫になってしまうのが難点である。
もちろん電池でも音は出るから、シールドを繋げば済むわけだが、やはりパワーサプライに通した時の生々しさには及ばない。
現在Alembicは、Series Ⅰ 及びSeries Ⅱ のシステムを組み込んだギターは製造していない。
だからもう新品では手に入らない。
使っている人があまりいないのも魅力である。
オリジナルな音を作り、生かすために、面倒がらずに弾かなくては!!!
(写真撮影:光齋昇馬)
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